朝になると不安が強くなるのはなぜ?
公認心理師が理由と対処法を解説します
「夜は何とか過ごせるのに、朝になると急に不安が強くなる」
「目が覚めた瞬間から気持ちが重く、動悸や焦りを感じる」
「仕事のことを考えると、体が固まってしまう」
こうしたご相談は、カウンセリングの現場でとても多く寄せられます。
そして大切なことは、朝の不安は“気持ちの弱さ”や“甘え”ではないということです。
そこには、心理的・身体的にきちんとした理由があります。
朝に不安が強くなりやすい理由
1.自律神経の切り替えがうまくいっていない
朝は、体が「休息モード」から「活動モード」に切り替わる時間帯です。
ストレスが続いていると、この切り替えがスムーズにいかず、
・動悸
・息苦しさ
・理由のない不安感
・焦り
といった症状が出やすくなります。
これは意思の問題ではなく、体の反応です。
2.これから始まる一日への「予期不安」
朝は、
・仕事
・職場の人間関係
・失敗や評価への不安
などを一気に考えやすい時間帯です。
特につらい経験があった職場や、責任の重い環境にいる場合、
脳が無意識に「危険」を予測し、不安を強めることがあります。
3.抑うつ状態・適応障害の初期サインの可能性
朝の不安に加えて、
・起き上がれない
・涙が出る
・食欲がない
・集中できない
といった状態が続く場合、
抑うつ状態や適応障害の初期段階であることもあります。
「まだ我慢できるから」と放置してしまうと、
状態が悪化してしまうことも少なくありません。
今日からできる対処法
朝に「考え事をしない仕組み」を作る
不安は、考え始めるほど大きくなります。
朝はできるだけ、
・ニュースを見ない
・仕事のことを考えない
・SNSを開かない
代わりに、
**決まったルーティン(シャワー、音楽、深呼吸など)**を作ることが効果的です。
不安を消そうとしない(ACTの考え方)
「不安にならないようにしよう」とすると、
かえって不安は強くなります。
ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)では、
不安があっても行動することを大切にします。
「不安はあるけれど、今できることを一つやってみる」
この姿勢が、結果的に不安を和らげます。
一人で抱え込まない
朝の不安が続いているとき、
一人で考え続けるほど、頭の中は整理しづらくなります。
第三者に話すことで、
・状況が整理され
・自分を責める視点が弱まり
・回復への道筋が見えやすくなります。
こんな状態が続く場合は相談をおすすめします
・朝の不安が2週間以上続いている
・仕事に行こうとすると動悸が出る
・眠れない日が増えている
・「消えてしまいたい」と感じることがある
これらは、心が限界に近づいているサインです。
カウンセリングルーム優心でできること
カウンセリングルーム優心では、公認心理師が
・認知行動療法(CBT)
・ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)
・スキーマ療法
・心理検査(TEG3・POMS2 など)
を用いて、
朝の不安がなぜ起きているのかを整理し、現実的な対処法を一緒に考えていきます。
「話を聞くだけ」で終わらず、
日常が少し楽になる実感を大切にしています。
まとめ
朝の不安は、あなたが弱いからでも、怠けているからでもありません。
それは、これまで無理をしてきた心と体からのサインです。
一人で抱え込まず、
「少し話してみようかな」と思ったタイミングでご相談ください。

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